ETC車載器の種類
ETCを利用するにおいて必要になる物がETCカードとETC車載器です。ETC車載器の役割として、無線通信により車両や通過ゲートなどの情報をETCレーンに設置されたアンテナとやり取りを行い、瞬時に料金決済を行っています。
また車載器には大まかに3つのタイプがあります。基本的な機能は共通で、価格や設置場所により違いがあります。
ETC車載器3タイプ
アンテナ一体型(2ピースタイプ)
ETC車載器とアンテナが一体になったタイプです。ETCはETCカードとETC車載器によって構成されているので、一体型は通常2ピースタイプと呼ばれています。
利点としては、車載器本体をダッシュボード上などに設置し電源を取るだけなので取付が容易なことと、価格帯が比較的安いことです。
アンテナ分離型(3ピースタイプ)
ETC車載器とアンテナが分離されたタイプです。2ピースタイプと比べ分離したアンテナが増えた為3ピースタイプと呼ばれています。
現在主流のタイプで車載器本体とアンテナが分離されたことにより、車載器本体の設置場所も自由に選べることができます。また車載器本体を車外から見えにくい場所に設置することで、セキュリティ上も好ましいですね。
ビルトイン型(埋込タイプ)

ディーラーなどで新車購入時に取り付けるタイプです。
主に運転席周りのインテリアに埋め込まれているものが多く、アンテナもルームミラーに埋め込まれているタイプもあり、見た目もスッキリとしてインテリアに一体感があります。
アルパインから発売されているETC2.0車載器「HCE-B110」には専用ビルトインキットも車種別で発売されており、純正取付位置にビルトインで取付が可能です。

ETC2.0とは新しいETCの規格で、2016年4月より本格的な運用が開始されています。
旧システムとの大きな違いとして、従来の機能に加えETC車載器とITSスポットと呼ばれるアンテナ間で、大容量データの双方向通信が実現されています。
このITSスポットとETC2.0車載器間でDSRCにより様々なデータを発信・受信することで、ドライバーに有益な情報の取得が可能になり、またETC2.0車載器のみ対象となる割引区間も設定されています。
Dedicated Short Range Communications
DSRCとは車両との無線通信を5.8Ghz帯で双方向に行い、その通信は特定の短い範囲でのみ可能となります。
どれを選べばいいのか
これからはETC2.0
ETC2.0の実用的運用がすでに開始されていますが、旧ETC車載器でも利用料金の決済には問題なく使えます。
しかし今から購入するならETC2.0対応車載器を選択するべきです。旧ETC車載器と比較してもデメリットはなく、車載器単独でもETC2.0サービスを受けられる機器や、カーナビとの連動以外にもスマホと連動することができるタイプも販売されています。
既にお持ちの車載器でもETC2.0に対応している場合があります。ETC2.0対応の車載器の見分け方としては、車載器本体に『ETC2.0』『DSRC』『ITSスポット』などのロゴが明記されています。
ETC2.0対応車載器でもETC2.0の全サービスを受けるには2015年7月1日以降にセットアップを行う必要があります。
もしETC2.0対応機種で2015年6月30日以前にセットアップを行っていて、且つETC2.0の全サービスを受けるには再セットアップを行う必要があります。

応用の利く分離型
アンテナ一体型は価格も安く取付も容易です。しかしダッシュボード上などに設置する場合では、見た目も悪く視界に入るので気になることもあります。またセキュリティ上の面からもあまり好ましいとは言えません。
特別な理由がないかぎりアンテナ分離型の3ピースタイプをおすすめします。車載器本体の価格や取付工費はアンテナ一体型より割高で、DIYで取り付ける場合は設置難易度も上がりますが、設置場所の自由度や見た目のスッキリ感は向上します。