ETCとは

Electronic Toll Collection System
エレクトロニック トール コレクション システム。日本語で電子料金収受システム。

ETCとは高速道路や有料道路において、料金の支払いをノンストップ且つ自動で出来るシステムです。2001年の一般利用開始から15年経ち普及率も90%とみられています。

高速道路なのどの有料道路に設置されているETCレーンには、通過する車両との情報をやり取りするためのアンテナが設置されています。情報のやり取りは無線通信で行われ、車両情報・ETCカード情報・通過ゲートなど、様々な情報のやり取りが行われます。

やり取りされた情報が正常な場合、ETCレーンの開閉バーが開き車両を停止することなく通過できます。

ETCシステム利用に必要なもの

ETCカードと車載器

ETCを利用するにはETCカードと車に取付られた車載器が必要です。

ではそれらをどのように入手、購入できるかを説明していきます。

ETCカード

ETCカードの種類はユーザーの利用形態により大まかに3つに分類されます。

  • クレジットカードの追加カード
  • クレジットカード不要のパーソナルカード
  • 企業などで利用するコーポレートカード

では各ETCカードの説明をしていきます。

クレジットカード付帯のETCカード

AEON ETCカード
AEON ETCカード

最も多く利用されていると思われるのがクレジットカード会社から発行されるETCカード。これは所有するクレジットカードの追加カードとしてETCカードが発行されています。元のクレジットカードに紐づいているので、ETC利用料金も元のカードに合算されます。

とにかく発行が容易で、クレジットカードを所有しているのならネットから簡単に申込み、発行することができます。また新規でクレジットカードを作る際にも、同時にETCカードの申込みをしておくと手間が掛かりません。

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パーソナルカード

ETCパーソナルカードはクレジットカードを持っていない、あるいは持たない方向けのETCカードです。

高速道路管理会社6社より共同で発行されており、利用料金の精算も登録口座より後日引落しとなっています。クレジット会社発行のETCカードとの大きな違いは、カード発行の際に審査が無い代わりにデポジット(保証金)が必要なこと。デポジットはカード発行までに預託しておく必要があり、デポジット額は年間利用額や月最大利用額から算出されますが、最低でも40,000円からとなっています。

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コーポレートカード

ETCコーポレートカードの券面
ETCコーポレートカード

ETCコーポレートカードはNEXCO3社が発行しているカードで、「大口・多頻度割引制度」利用の為に発行されているカードです。企業など法人に発行されている場合が多いですが、特に個人・法人は不問です。

この「大口・多頻度割引」には車両単位割引と契約単位割引があります。例えば契約企業が5台の車両でそれぞれETCコーポレートカードを利用していた場合、各車両毎の月間利用額に対しての割引と、5台の車両を合算した月間利用額に対しての割引が適用されます。

ただ大口・多頻度と言われるだけあり割引適用になるにはそれなりの利用額が必要で、車両単位では月間利用額5,000円以上が対象で、契約単位では月間の利用額が500万円以上かつ各車両の月間利用額が平均30,000円以上となっています。

ETCコーポレートカードの利用には事業協同組合経由で申し込む方法もあります。NEXCOより直接カードの発行を受けるには様々な要件を満たす必要がありますが、事業協同組合経由なら申込み先の事業協同組合の要件に沿っていればよく、申込みも組合員として事業協同組合が行ってくれます。NEXCOの要件に不安のある方や発行手続きを簡素化したい方は一度ご覧になってはいかがでしょうか。
首都・阪神高速ETCコーポレートカード

どの車にも使える

通常ETCカードはどの車にも使えます。厳密に言えばどの車載器に挿入しても使えます。例えば友達の車でドライブに行く際、「高速代は奢るよ」と自分のETCカードを友達の車の車載器に挿入しても問題なく使え、挿入しているETCカードに対して料金は請求されます。

ETC車載器

ETC車載器とは、車内に設置するETCカードを挿入する本体です。カー用品店やインターネット上でも販売されています。

注意しなけらばならないのは、新品のETC車載器をそのまま車に取り付けても機能はしません。使用前にセットアップと言われるETC車載器に車両情報などを登録する工程が必要です。

ETC車載器の種類には大まかに3タイプあり、本体とアンテナが一体式の2ピースタイプ、運転席周りなどに本体を設置しアンテナをダッシュボード上やフロントガラスに貼り付ける3ピースタイプ、メーカーオプションとして最初からETCが装備されているビルトインタイプがあります。

ETC車載器の種類
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ETC2.0 本格的運用開始
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従来のETC車載器は値段も安価で購入することができますが、一部地域ではETC2.0のみ受けられる割引の導入も始まっています。またETC2.0の普及促進に伴い車載器の購入助成キャンペーンも行われていることがあるので、購入時にはNEXCOなどのサイトをチェックしておきましょう。

利用前に必要なセットアップ

ETC車載器に必要な情報を登録する作業をセットアップと言います。セットアップは自分で行うことはできず、ETCシステムを管理する(一財)ITS-TEAより審査・登録を受けた店でのみ行えます。この登録を受けた店をセットアップ店といいます。

注意すべきなのは、ETCとETC2.0または二輪車ではセットアップの区分があります。登録内容に違いがあるため、セットアップ店によって取り扱っている区分も異なります。

登録されているセットアップ店は全国に約29,000店あります。下記のステッカーが目印で、セットアップ区分もわかるようになっています。

  • setup-etc

    四輪車

  • img_logo_etc2

    ETC2.0対応

  • setup-bike

    二輪車

セットアップ店検索

カー用品店ではほぼセットアップは行えますので、購入時には同時にセットアップも済ませておきましょう。また二輪車ではETC利用規定により、車載器購入店でのセットアップ及び取付が原則となっています。

セットアップ
ETCを利用するにはETCカード、ETC車載器が必要です。しかし必要とはいえ、揃えただけでは使えません。ETCカードを挿入し無線通信でゲートを通行するには車載器にセット...